業務用市場改革推進協議会 綱領
█ 設立趣旨
1989(平成元)年に実施された酒類業界の規制緩和は、生販各層の構造変化を促進させた。製造業者、卸売業者は酒販免許の大幅緩和から免れたが、ひとり小売業者は規制撤廃に等しい措置に伴い、業界の激変を招いた。
規制緩和後四半世紀が経過した今日、酒類小売業者の多くはチェーンストアの酒売場に変化し、街中の酒屋は店数、従業員数共、大幅に減少した。
酒類小売業者の一角を成す「業務用酒販店」も例外ではない。酒類卸売業者の業務用市場への参入、同業者間のM&A、大手主導のネットワーク化等、業務用酒販業界もまた激変の真っただ中にある。
業務用酒販業界は、固有の市場を持つ。かつ固有の機能発揮により、今日に至っているが、業界構造は依然、旧態依然の状況にある。
酒類業界そのものの構造変化、生販各層の機能変化、競争原理の変化等、酒類業界が揺らぐ中で業務用酒販業界は、時代変化への対応が充分に行なわれているとはいい難い。根底にある最大の課題は、業務用酒販業界そのものの構造変化の遅れである。各企業、各店がそれぞれの思惑、しがらみ、悪しき商習慣、不毛な価格競争の中で年々、経営は厳しさを増している。
業務用市場改革推進協議会(略称「業改協」以下同じ)は、こうした業務用酒販業界が抱える様々な課題を業界内外の英知を結集して解決していくことを目指す非営利グループである。
█ 理念
業務用市場改革推進協議会は、業務用酒販業界の構造改革を推進する。酒類食品
製造業者、酒類食品卸売業者、業務用酒販業者の三位一体の結束の基、21世紀の業
務用酒販業界のあるべき姿を提示し、かつ長期的なビジョンの策定を通して新たな
業務用酒販業界の成長路線の構築をめざす。
▇ 設立の目的
業改協は、直面する次の諸課題の解決を目指す。
⒈低価格政策からの脱却
⒉物流機能改革を目的とした共同化、協業化の推進
⒊酒類食品製造業者・酒類食品卸売業者、行政機関、異業種・異業界との交流促進
⒋人材育成・拡充の推進
⒌業務用酒販業界の個別各企業の経営改革に対する指導・援助の実施
⒍料飲店の外国人対策の指導・援助の推進
▇ 業改協の組織
業改協の組織構成は、次の通りとする。
⒈会長 ─ 1名
⒉副会長 ─ 1名
⒊代表幹事 ─ 3名
⒋各地区代表理事
⒌酒類製造業者・酒類食品卸売業者会員(分科会の設置)
⒍業務用酒販業者会員
⒎顧問
⒏事務局
█ 業改協が目指す骨太の方針
業改協は、長期的視点に立ち、次の事業展開を目指す。
⒈「リカービジネスアカデミー」(仮称)の開設
⒉「リカービジネスリクルート」(仮称)事業の展開
⒊「リカービジネス商業士」(仮称)資格制度の開設
⒋営業体制の再構築・確立(商流機能強化の一環として教育機関の開設、資格制
度の創設を通して、業務用酒販業界の人的資質の向上を目指す)
⒌共配システムの整備・確立(共同物流センター、受発注オンラインシステム、
在庫管理システム、得意先管理システム等を整備し、業務用酒販業界の構造改
革を目指す)
⒍「業務用酒類卸免許」取得に向けた諸活動
これらの諸事業・諸活動を通して、業務用酒販業界の地位向上ならびに業界人
の誇りとプライドを確立する。さらに業務用酒販業界の固有の機能価値を広く社
会に訴求していく事を共通のビジョンとする。
2014.12.1